成女学園ブログ

成女学園は1世紀以上の伝統を持つ高等学校です。
生徒たちは、アットホームな雰囲気の中、日々笑顔の絶えない穏やかな学園生活を送っています。

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成女学園中学校・成女高等学校のブログです。
学園の日々の様子を、学校長および編集委員が中心になってお届けします。

成女学園ブログ > 学校長より

2学期は「広げ、伸ばし、決める」

更新日:2016年09月01日

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きのうまでの夏休み中に、追分での合宿をはじめ講習や補習そして部活などにおいて、生徒それぞれの活躍が伝わってきました。
きょうから始まった2学期は、1年のうちで最も授業の日数が多く、大きな行事も予定されている重要な4か月です。

今朝の始業式では、それぞれの学年に取り組んでほしいことをキーワードにして話しました。
1年生は“広げる”です。
1学期は学園の生活に慣れることが主な目的でしたが、2学期は学びの視野とともに人間関係も広げて、一人でも多くの友だちのことを理解してほしいと思います。
2年生は“伸ばす”です。
それぞれが自分の得意なところや良いところを見つけ、それを少しでも伸ばしてほしいと願っています。
3年生は“決める”です。
何を決めるかは、もちろん卒業後の進路です。
保護者や先生方と相談するのは当然ですが、これまで自分が広げ伸ばしてきたことをすべて活かしきって、最後は悔いの残らないように自分の進路は自分で決めてほしいものです。

以上のように、それぞれの学年が「広げ、伸ばし、決める」を心がけて、2学期が一人ひとりにとって充実することを心から期待しています。

〔学校長〕


高校の卒業式を終えて “信頼ある人間関係を築き多くの経験を”

更新日:2016年03月15日

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 冬の寒さがゆるみ、校庭の木々は柔らかな日差しを浴びています。
春の訪れを感じさせるきょうのよき日に、高校の卒業式が行われました。
卒業生ならびにその保護者はもちろん、私ども教職員にとりましても誠に喜ばしい一日です。
卒業生はこの3年間で、入学した頃の幼さは次第になくなり、自立しようとするたくましさを見せるまでに成長しました。

 本日の式典では、私から卒業生に2つのお願いをしました。
1つは、人との関わりを大切にほしいということです。
「ありがとう」という感謝の気持ちと、「お互いさま」という思いやりの心をもって人に接し、周りからの信頼を得てもらいたいと思います。
もう一つは、多くの経験を積んでほしいということです。
いろいろなことに挑戦することによって、さまざまな角度から物事を考えられるようになり、人間としての深みと幅を増してもらいたいと思います。

 “若鳥は向かい風に向かって巣立つ”と言われます。
卒業生も、それぞれの可能性に満ちた新たな世界へ向かって、力強く学園を飛び立ってほしいものです。

〔学校長〕


3学期を迎えて “目標を持って前向きに”

更新日:2016年01月08日

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 きのうで冬休みが終わり、生徒はそれぞれ気持ちも新たに今学期を迎えたことと思います。
けさの始業式では、脳をいきいきさせるためには何かの目標を持つことが重要だという話をしました。
この3学期をどのように過ごしたらいいか。
この1年をどのように送りたいか。
一人ひとりの思いは異なるでしょうが、きょうの節目に改めて自分自身に問いかけ、それぞれの目標を確かめてほしいと思います。

 また、人やモノに感謝したり感動したりすることや、不満などを言わないことも脳細胞をすこやかにするためには大切です。
ちなみに、1月を昔の暦では睦月(むつき)といって、それは人々が睦(むつ)まじくする月という意味だそうです。人と仲よくして感謝したり感動したりすれば、おのずと不平や不満は少なくなるものです。
豊かな心と穏やかな気持ちで、今年をスタートしてほしいと願っています。

 これからの3か月は、平成27年度を締めくくるために取り組まなければならないことがあります。
3年生は学校生活3年間の集大成を、2年生は最高学年となるためのパワーの備えを、1年生は学園の中心学年となる心がまえを、それぞれに期待したいものです。

〔学校長〕


創立記念日に際して

更新日:2015年11月01日

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 学園は創立記念祭の準備に追われる日々ですが、放課後にふと気づくと、校庭は暗くなっています。
去りゆく秋が惜しまれるきょうのよき日に、成女学園の116年目となる創立記念日を迎えることができました。
生徒ならびに教職員のみなさんと共にその喜びを分かち合い、学園創立の原点に立ち返って建学の精神に思いをはせる一日にしたいと思います。
1899年に設立された学園の長い歴史には、実にさまざまな人々の人生が織り込まれています。
これまでに多くの方々が学園のために心をくだき、力を尽くしてこられたからこそ、こんにちの成女があるのは言うまでもありません。

 一方、世の中はコンピュータやインターネットなどの著しい進歩によって、想像もつかない速さで情報化社会へと変わりつつあります。
そして、われわれの周りのあらゆるモノがネットワークにつながることで、今後数十年もすると、今ある職業の半分近くは無くなるだろうと言われています。
先行きの見えないこれからの社会では、過去の延長で物事を考え、これまでの経験で問題を解決することが難しくなります。
教育の世界においても、公立、私立を問わず学校を取り巻く環境はきわめて厳しい状況にあります。

 成女学園の長い伝統を守りつづけることは、「変えてはいけないもの」を大切にすることはもちろんですが、時代の状況に合わせて、「変えるべきもの」を柔軟に変えていくことでもあります。
建学の精神を受け継ぎながら、みんなの知恵と勇気と心が一つになることで、学園の発展へ向けたさらなる一歩を踏み出したいものです。

〔学校長〕


2学期を迎えて “プラス思考で”

更新日:2015年09月01日

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 2学期の始まりに合わせるかのように吹く風に秋の気配が感じられますが、今年の夏は猛暑日が記録的につづくなど、ことのほか暑さが身にこたえました。
しかし、校庭の木々がすくすくと伸びているように、夏は「成長の季節」と言われます。
今朝、久しぶりに生徒の日焼けした表情をみると、それぞれの成長ぶりがうかがえました。
生徒の根っこや幹も少しずつたくましくなってきているにちがいありません。
今学期は、さらにそれぞれの根っこや幹を成長させ、熟した果実を収穫するための4ヶ月となります。
どれほどの成果をあげることができるのかがとても楽しみです。
 ところが生徒のなかには、夏休みが終わったことで憂うつな気分になっている者や、2学期への心の準備ができていない者も、少なくないと思います。
始業式では、“プラス思考”というテーマで話をしました。
不都合な出来事でも、そのよい面をとらえ、前向きな考え方ができるかどうかということです。
物事の多くは、マイナスなことでも受け止め方によってはプラスに解釈することができます。
具体的な例をあげると、
 ・風邪をひいて体調を壊したとき、「辛いなぁ」とへこむのではなく、「十分に休養をとるチャンスだ」と気持ちを切りかえてみる。
 ・友だちと口論になったとき、「友だちのほうが悪いから」と相手を非難するのではなく、「友だちの本当の気持ちがわかった。もっと仲よくなれるかもしれない」と相手の気持ちになって考えてみる。
 このように、よくない出来事も前向きに考えればチャンスとなります。
病気や周りのせいにして不平や不満を言いつづけても、状況は何も変わりません。
どのようなことが起きたかよりも、起きたことに対してどのように受け止めるかが大切になります。
たいへん難しいことですが発想を変えて、自分に今できることは何かを考え、それに少しずつ取り組んでほしいと思います。
自分が変わると、不思議なことに、周りの人や状況も変わってくることは珍しくありません。
 いよいよ2学期が始まりました。
「夏休みが終わってしまった。あーあ、嫌だなぁ」ではなく、「新しい学びがたくさん待っている2学期が始まった。
よしがんばろう!」というプラス思考で、明日からの学校生活を有意義に送ってもらいたいものです。

〔学校長〕


始業式を終えて  “聴く力を高めて多くを学び取る”

更新日:2015年04月07日

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 いよいよ平成27年度が始まりました。生徒はもちろん私ども教職員も、心地よい緊張感に包まれるなか、新たな気持ちで始業式を迎えました。

 今朝は、年度のはじめにあたり、学ぶ者の心構えとして「人の話を聴くこと」の大切さについて、改めて触れました。聴くだけであれば誰でも簡単にできそうですが、黙って静かにしていても実際に人の話を聴いているとは限りません。自分自身が聴いているつもりになっていることもあります。言葉遊びになりますが、「聴」という漢字は、「耳」に「+」(プラス記号)と「目」と「心」の文字が組み合わさってできています。人の話を「聴く」というのは、耳と目と心を足し合わせ、フルに使って理解しようとすることだと思いたいものです。また、人の話を聴く力が学ぶ力と大きな関係があることは否定できません。勉強ができる生徒は、人の話をよく聴いて考えたり工夫したりしますが、勉強が苦手な生徒は、人の話を聴くのも苦手な場合が多いようです。

 きょう、新たなスタートラインに立った生徒には、聴く力をより高めて、先生方の話を耳と目と心で聴き取り、少しでも多くのことを学び取ってほしいものです。

〔学校長〕


入学式を終えて  “やればできる”

更新日:2015年04月05日

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 学園の春は新入生と共に訪れました。校庭の木々が一斉に芽を吹いて春の香りに包まれたきょうの佳き日に、大勢の人々に見守られ祝福される中で、伝統ある本学園の入学式をとり行うことができました。

 入学式というのは、新入生が新しい環境で「よし頑張ろう」と心に決め、ご両親やご家族の皆様、そして先生方にその覚悟や誓いを示す場でもあります。一人ひとりが多くの期待に応え、本校の生徒として胸を張り、それぞれの目標に向かって力強く歩んでもらいたいものです。そのためには、それぞれが自分自身を知る努力をしなければなりません。一人ひとりの中には「やればできる」という宝物がいっぱい詰まっており、それは日々の授業やクラブ活動、あるいは生徒会活動や学校行事など、いろいろなことに挑戦するなかで見つけることができるはずです。「あっ、自分はこういうことが得意なんだ」「自分にはこんな才能があったんだ」という「やればできる」ことに気づいたとき、その可能性を信じることがとても大切です。どんなに小さなことでも、一つひとつを積み重ねていくことで自信が生まれ、自分らしさや個性にもつながるでしょう。また、「やればできる」自分に気づいた人は、他の人の「やればできる」ことも理解し尊重することができ、互いに高め合うことにもつながります。

 本日入学した新入生には、これから待ち受けているさまざまな問題に対し、「やればできる」の心構えで前向きに取り組み、有意義な学校生活を送ってほしいと、心から願うばかりです。

〔学校長〕


3学期を迎えて  “木登り名人の教え”

更新日:2015年01月08日

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 新年あけましておめでとうございます。初春とは名ばかりで、これから厳しい寒さが続きますが、ブログをご覧の皆さまにおかれましては、それぞれすがすがしいお気持ちで新年をお迎えになられたことと思います。

 平成26年度をまとめる最後の学期を迎えました。中学・高校ともに学年としての仕上げが目前にせまっており、その出来・不出来はこれからの2ヵ月半にかかっています。そこで、今朝の始業式では次のような話をしました。木登り名人と言われた男が、人にさしずして高い木に登らせ、枝を切らせるという昔話です。
 とても高くて危ない所に人を登らせている間、その名人は何も言わずに見守っているだけでしたが、ほんの数メートルほどの低い所までおりてきたときに、「気をつけろ!」と声をかけました。
 ある男が「これくらいの高さになったら一っ飛びでもおりられるのに、どうしてそんなことを言うのか」と尋ねると、名人は答えました。「高い所に登っている間は緊張して自分でも気をつけるだろうから何も言わなかったが、低い所へおりてきて油断したときに過ちは起こるものだ」と。
 この話ように、何事も終わりに近づくと気持ちがゆるみがちになり、あともう少しというところになってからが本当に難しいと言われています。何事もゴールが近づいたところをまだ半分だと思い、最後まで気をぬかずにやりとげるようにしたいものです。

 また、3学期は締めくくりであると同時に、次年度へ向けての大切な準備の期間でもあります。1年生は学園の中心となる学年へ、2年生は進路を決める最高学年へ、3年生は新たな学びの環境へ、それぞれ進むことになりますが、それに備えてこの時期は自分の力をたくわえなければなりません。生徒一人ひとりが、来年度の大きな目標を見すえて3学期の小さな目標が達成できるように、一日一日を大切に過ごしてほしいものです。

〔学校長〕


創立記念日を迎えて

更新日:2014年11月01日

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 秋が深まり凛とした空気に包まれた中で、本日、成女学園の115回目となる創立記念日を迎えました。

 本学園の歴史は遠く明治32年にさかのぼり、時はまさに我が国が近代化の歩みを加速させつつある時代でした。また、「国家百年の計は教育にあり」と言われるように、時の政府は教育こそが近代化を推し進める鍵であるという考えのもとに、教育の大きな改革に取り組んでいるときでした。社会の情勢が激しく揺れ動いた時代の中で、女子の教育一筋に歩んできた本学園百年の道のりは、前進と停滞、栄光と苦難を絶えずくり返し、決して平坦なものではありませんでした。
 しかし、その時代時代の在校生はもとより歴代の校長をはじめとする教職員の方々、その時どきの「父母の会」や「この花会」の皆様など、実に多くの人々のご努力とご支援により、こんにちの成女学園があります。きょうの佳き日を迎えることができたのも、これらの方々のお陰であり、改めて敬意を表すとともに心から感謝申し上げたいと思います。

 成女の歴史は途切れることなく続いてきましたが、「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」という言葉があるように、学園に関わる人、モノ、状況は時代とともに移り変わってきました。しかし、時代は変わってもその時どきの人々が自分の役割を果たしていくことこそが、創立時の精神であると信じています。
 現在、学園に関わる私たちに与えられた使命は、一人ひとりがその精神を重く受け止め、少しでも実現していくように努めることだと思います。今後も先輩方が照らす光を頼りに、学園が直面するさまざまな課題に対して、生徒ならびに教職員が一丸となって取り組んでいけることを期待し、創立記念式の式辞といたしました。

〔学校長〕


“聴く力を高める2学期に”

更新日:2014年09月01日

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 生徒の日焼けした顔からは、夏休みがそれぞれにとって実りある40日あまりだったことがうかがわれます。信濃追分での林間学校で貴重な体験をし、部活動や生徒会活動で汗を流し、補習や講習で知恵をしぼり、さらにこの期間にしかできないことに挑戦したことでしょう。

 私自身も日ごろの罪ほろぼしに、長いこと認知症をわずらっている義母のところへ足しげく通いました。いまでは本人と話すことができなくなりましたが、顔を合わせるたびにその眼差しを見るだけで、そのときの気分や体調などが手に取るようにわかります。「目は口ほどに物を言う」「目は心の窓」などと昔からよく言われますが、義母の眼差しからは不思議なパワーを感じます。ふだん、私たちは書かれた文字や話される言葉だけで、人の想いを理解しているつもりになっているのかもしれません。コミュニケーションの基本は人の話を聴くことだと言われますが、そのときに相手の目を見ることで、言葉だけでは伝えきれない微妙なものを感じ取ることができ、物事の本質を理解することにもつながるような気がします。

 そこで、今朝の始業式では「人の話は目を見て聴くこと」について話しました。生徒にとって授業をはじめ人の話を聴く機会はとても多く、学校生活の大半が「話を聴くこと」と言ってもいいかもしれません。特に、生徒の本分である学習については、日々の授業の中で聴く力を身につけることが、学習の成果を大きく左右するはずです。ちなみに、理解力や判断力に優れて賢いことを「聡明」と言いますが、「聡」は耳がよく聞こえるという意味で、「明」は目がよく見えるという意味です。また、「話を聴く」と言うときの「聴く」と「薬が効く」と言うときの「効く」とは同じ語源だそうです。授業では先生の目をよく見て話を聴くと、その内容が頭の中に入り薬のように効いてくる、ということでしょうか。

 この2学期は、周りと協調しなければならない集団生活が1年のうちでも最も長い学期となりますので、これまで以上に人とうまくやっていくことが求められます。生徒一人ひとりが持っているさまざまな能力を、聴く力を高めることによってさらに伸ばす4ヶ月であってほしいものです。

〔学校長〕



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